エキゾチックペットは可愛いだけじゃない!海外事情と問題点、飼う前に知っておくべきこと
エキゾチックペットを飼いたいと思ったことはありますか?
最近では、カフェや商業施設内で、フクロウやカワウソ、ハリネズミなどと触れ合える場所も増えています。
本記事では、そもそも「エキゾチックペットとは何か」という疑問から、日本・アメリカ・イギリスの事情、飼う前に確認すべきポイント、そして人気の裏にある危険性や問題点までをご紹介します。
興味を持つ人が増えている今だからこそ、「珍しい」「可愛い」だけではない事実も知っておきましょう。
目次
エキゾチックペットとは?犬や猫との違いを解説
エキゾチックペットとは、犬・猫・家畜以外の、もともと人に飼われていなかった(家畜化されていない)動物をペットとして飼うものをさします。「エキゾチックアニマル」とも呼ばれます。代表的なものは次のとおりです。
- うさぎ(家畜種のため、エキゾチックペットとみなさない場合もあり)
- モルモット
- ハムスター
- チンチラ
- ハリネズミ
- フクロモモンガ
- 爬虫類(カメ、トカゲ、ヘビなど)
- 鳥類(インコ、フクロウなど)
- タランチュラやカタツムリなどの無脊椎動物
- 魚類
そのほか、トラやオオカミ、キツネなど、明らかに野生動物である種もエキゾチックペットに分類されます。
犬や猫と大きく違うのは、本来の生息地と異なる環境で、食事や温度、行動のニーズを満たすことが難しい点です。人間が数千年かけて一緒に暮らしてきた犬や猫と違い、多くのエキゾチックペットは新しい環境に適応できず、命を落とすことも珍しくありません。
だからこそ、飼う前に「その動物が本来どんな環境で暮らしているのか」を学ぶことがとても重要です。
日本と世界のエキゾチックペット事情
日本・アメリカ・イギリスの3か国を例に、エキゾチックペットの現状を見てみましょう。
日本|世界有数のエキゾチックペット市場
WWFジャパンが実施した「エキゾチックペットに関する日本の意識調査2021」では、エキゾチックペットへの関心度は次のとおりでした。
- エキゾチックペットに触れてみたい:33%
- エキゾチックペットを飼ってみたい:17%
特に10代の若い世代で関心が高いことが明らかになっています。
日本は世界有数のエキゾチックペット市場といわれ、カワウソ・ハリネズミ・フクロウ・カメレオンなどをカフェで見かけることも多くなりました。
しかしその人気の裏で、感染症、絶滅危惧種の取引、密輸といった問題があることは、あまり知られていません。
なお日本では、2020年6月に施行された改正動物愛護管理法により、トラ・クマ・ワニなど「特定動物(危険動物)」をペットとして飼うことが全面的に禁止されました(それまでは許可を得れば飼育可能でした)。特定動物と他の動物との交雑種も対象です。
アメリカ|州によってルールがバラバラ
アメリカでは、エキゾチックペットに関する法律が州や地方自治体ごとに異なります。
同じ動物でも、住宅地では違法だが広大な私有地なら許可される、許可証を取れば合法になる、といった具合です。フェレットのように多くの州で合法な動物もあれば、ライオンやチーターのように、許可制であっても一般家庭で飼うことはほぼ不可能な動物もあります。
「州境を越えたら違法だった」ということが起こりうるのがアメリカの特徴です。
イギリス|爬虫類・両生類・無脊椎動物180万匹、鳥130万羽が家庭に
イギリスでは、1950年代以降エキゾチックペットの取引と飼育が急激に増えました。毎年何百万もの野生動物が輸入され、その多くがペットとして飼われていると考えられています。
RSPCAの2021年の報告書(ペットフード製造業者協会の2021年の調査にもとづく推計)では、約180万匹の爬虫類・両生類・無脊椎動物、約130万羽の室内飼いの鳥が家庭で飼われているとされていますが、ほとんどの種にライセンスや登録の義務がないため、正確な規模を把握できないのが実情です。
RSPCA(王立動物虐待防止協会)は、飼い主の知識不足によるエキゾチックペットの遺棄や不適切飼育が増えていると警鐘を鳴らしています。
エキゾチックペットを飼う前に知っておくべき6つのポイント
エキゾチックペットは、決して「飼いやすい」動物ではありません。
ハワイ・ホノルルの動物保護団体が飼育希望者向けにまとめている6つのポイントをご紹介します。ニーズを満たせないと感じたら、「飼わない」という選択も考えましょう。
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環境
- 暖房や照明など、温度・光を注意深く管理する必要がある
- 穴を掘る、木に登る、日光浴をするなど、習性に合ったスペースが必要
- 1匹で飼うべきか、複数で飼うべきか、その動物の習性に合わせる
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寿命
カメやオウムのように、予想以上に長生きする種類も多い。数十年間、責任を持てるか
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サイズ
子どものときは小さくても、大きく成長する種類がいる。成長後の飼育環境まで考える
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食事
専用のフードや生き餌が必要な場合がある。食べる量によっては高額になることも
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生活スタイル
夜行性の動物も多い。自分の生活リズムと合うかを確認する
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病院
すべての獣医師が診られるとは限らない。診てもらえる病院が近くにあるか、費用は高額になる可能性も
エキゾチックペットは危険?4つの問題点
うさぎ・モルモット・ハムスターなど、日本でも一般的なペットがエキゾチックペットに分類されることを知らない人もいるでしょう。これらの多くは愛玩動物として「コンパニオンアニマル」とも呼ばれ、適切に飼えば問題はありません。
しかし、一部のエキゾチックペットには、人に怪我をさせる可能性のある野生動物も含まれます。犬や猫も噛んだり引っ掻いたりすることはありますが、野生の本能が残っている点がエキゾチックペットとの決定的な違いです。
飼う前に知っておきたい4つの問題点を紹介します。
1. 感染症の危険性
多くの野生動物はウイルスや細菌を持っており、密接に関わることで人間に感染する可能性があります。
新しい感染症の4件のうち3件は、人間と野生動物の接触が原因とする研究もあり、そのなかにはHIV・エボラ出血熱・SARSといった致死率の高い病気も含まれます。カメからのサルモネラ感染のように、身近な種でも注意が必要です。
2. 生態系が崩れる
エキゾチックペットの取引は、動物にとって過酷な環境であることが少なくありません。輸送中の不適切な扱いで死んでしまう動物も多く、生き残っても、本来の生息地から遠く離れた場所で暮らすことになります。
さらに、飼えなくなって野外に放された場合、その土地の生態系に深刻なダメージを与えます。日本でもアライグマやミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)など、ペット由来の外来種が在来種を脅かす問題が起きています。
3. 成長により危険性が増す可能性
赤ちゃんのときはどんなに可愛くても、成長するにつれて危険になる種類がいます。野生の本能は消えないため、予期せぬタイミングで攻撃性が現れることがあるからです。
成長して力が強くなると、安全に飼い続けることは簡単ではありません。
4. 密輸
飼育自体は合法でも、多くの動物は違法取引を経てペットとして家庭に来ています。毎年数千万頭の野生動物がさまざまな目的で捕獲され、世界中に売られていますが、すべてが「ペット」になるわけではなく、食用、展示用、毛皮など、その行き先は多岐にわたります。
合法・違法にかかわらず、珍しいペットを買うことが野生動物の違法取引を助長する可能性がある――このことを、飼う前に知っておく必要があります。
【まとめ】エキゾチックペットを飼う前に!危険性や問題点を知ろう
本記事では、エキゾチックペットについて、日本と海外の事情から危険性・問題点までご紹介しました。
エキゾチックペットの多くは、飼われている国の気候や環境に適応できません。「可愛い!珍しい!」だけで飼うのは、動物にとっても人にとっても危険です。
飼おうとしている動物が本来どんな環境で暮らしているのかを理解し、その環境を用意できるかを冷静に考えること。そして、その動物が日本に来るまでに何が起きているのかを知ること。この2つが、エキゾチックペットと向き合う第一歩です。
執筆者:小原有加里
(2026年9月 日本の法規制を追記して更新)


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