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動物愛護&動物福祉はどう違う?ハワイ視点で日本と海外を徹底比較

動物愛護&動物福祉はどう違う?ハワイ視点で日本と海外を徹底比較

動物愛護とは?皆さんも一度は聞いたことのある言葉ではないでしょうか。実は、「動物愛護」は明治時代に日本で生まれた言葉。海外では動物福祉(アニマルウェルフェア)の考えが一般的です。

そこで、「動物愛護」と「動物福祉」の違いは何なのか?日本と海外の考え方の違いを、ハワイの動物保護に対する考え方と共にご紹介します。

動物愛護と動物福祉の違いとは

動物愛護と動物福祉の違いは、主体が「人」にあるか、「動物」にあるかというところ。

  • 動物愛護:「人」が考える、動物にとっての幸せ
  • 動物福祉:「動物」にとっての幸せ(人の考えは関係ない)

動物愛護が一般的な日本と、動物福祉が一般的な海外。この違いが、動物保護に対する考え方の違いかもしれません。しかし、どちらが正しく、どちらが間違いということではなく、どちらの考えも知った上で、動物たちと関わることが大切です。

動物愛護とは?簡単に言うと…

「愛護」とは、「可愛がる。大事にする。」こと。つまり、動物愛護は「動物を可愛がり、大事にする」という「人」主体の考え方です。ペットを本当の子供のように愛する人が多い日本では、自然な考え方ではないでしょうか。

では、動物福祉とは何か?似ているようで微妙に違う、動物福祉の考え方についてハワイの視点からお話ししていきます。

動物福祉とは?

動物福祉は、動物が「産まれた時から最期を迎える時まで、出来るだけ苦痛を減らし、幸せな一生を」という考え方。人間が一方的に、「こうすれば幸せだろう」の考えではなく、「動物にとってどうすることが幸せか」を考える、「動物」主体の考え方です。

1960年代のイギリスにおいて、家畜を劣悪な飼育環境から守るため、「5つの自由」が定められたことから始まりました。ハワイでも、この「5つの自由」が掲げられています。

  • 飢えと渇きからの自由
  • 不快からの自由
  • 痛み・怪我・病気からの自由
  • 正常な行動を表現する自由
  • 恐怖や苦痛からの自由

全ての項目において「あらゆる苦痛を減らす」ことに重点が置かれていますね。このことから、看取りのタイミングも、動物愛護と動物福祉で違っています。動物福祉の観点では、安楽死の措置が取られることも珍しくありません。

ハワイの動物福祉法

ハワイ州の法律では、生命維持に必要な栄養法や、闘犬を含む動物虐待、動物虐待事件における動物の没収など、動物虐待に関する規定がいくつか存在しますが、その他、日常に起こり得る、禁止事項や義務についてもご紹介していきます。

  • 動物を捨てることの禁止
  • 野良犬を見つけた場合、動物管理局への報告義務
  • 一時接近禁止令がペットにも拡大
  • 賃貸物件のペット保証金

野良犬や迷子のペットを見つけた場合も、報告義務により飼い主の元に帰れる可能性が高まります。そして、賃貸物件のペット保証金制度により、家主は家賃1ヶ月分を超えない範囲の保証金を住人になる人に交渉出来ることになりました。

では、ハワイのペット事情はどうなのか?ハワイを代表する動物愛護団体の取り組みと共にご紹介します。

ハワイのペット事情&保護団体が進める取り組み

海外旅行で人気なホノルルのある、ハワイ・オアフ島最大の保護団体、「Hawaiian Humane Society(ハワイアン・ヒューメイン・ソサエティ)」によると、オアフ島の約60%の世帯がペットを飼っており、内41%が犬をペットとして迎えていると言われています。

しかし、全ての飼い主が、ペットにとっても人間にとっても最適な家に住めるとは限りません。その結果、ペットを手放す選択をする飼い主がいることも悲しい事実。

そこで、Hawaiian Humane Societyでは、責任あるペットの飼い主は、長期間住む可能性が高く、家主にとってメリットになり得ることや、犬種によって攻撃性があると決めつけるべきではないことを知ってもらい、ペットと住める家を増やすために活動をしています。

人間と動物が共存できる社会を作る|飼い主の責任

動物福祉において、「5つの自由」が定められており、動物たちにとって本来の自然な行動が尊重されています。一方、人間と動物が共存する社会を作るためには、ある程度の規制も必要です。

そこで、ハワイ・ホノルルで定められた条例がこちら。

  • マイクロチップにより、ペット(犬・猫)の識別が出来ること
  • 公共の場でのリード装着(リードは8フィート以下であること)
  • 危険な犬を制御すること(攻撃から飼い主を守るなどから来るものは除く)
  • 騒音などの迷惑行為を防止すること
  • 犬の頭数制限(生後4ヶ月以上の犬の頭数が、1世帯あたり10頭を超えてはならない)

すべてが自由では、人間も動物も幸せにはなれません。決められたルールを守ることが、双方の幸せへと繋がります。

まとめ

「動物愛護」と「動物福祉」。国や歴史の違いから考え方は違いますが、動物の幸せを願う意味では共通しています。どちらが正しいかではなく、どちらも理解し、状況にあった考えを選択することが重要ですね。

執筆者:小原有加里

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