伝統とモダンの狭間で変わるベトナムのペット
伝統とモダンの狭間で変わるベトナムのペット
かつて犬は家を守る番人、猫はネズミを追い払う小さな働き手。
そんな時代から、ペットを“家族の一員”として迎える時代へ。
ベトナムの街では、伝統とモダンが交差する中で、動物との関係が静かに形を変えています。
この記事では、ペット文化の変化を4つの視点からのぞいてみましょう。
「番犬」から「家族」へ 暮らしの中で変わる存在
1990年代までは、犬や猫は家の外で飼われるのが当たり前でした。
家を守り、害獣を追い払う、いわば“働く仲間”のような存在。
しかし都市化が進むにつれ、リビングで眠る犬や、ソファの上で甘える猫の姿が増えていきました。
誕生日を祝うケーキや、ペット用ベッドを用意する家庭も珍しくありません。
広がるペットライフのかたち
ホーチミンやハノイでは、ペットカフェやトリミングサロン、ホテル、動物病院などのサービスが急速に拡大しています。
SNSを通じて飼い主同士がつながり、ペット中心のコミュニティが育ちつつあります。
「うちの子」の日常を写真でシェアしながら、同じ思いを持つ仲間と励まし合う。
そこには、“動物と共に暮らす喜び”が、確かに息づいています。
世代と地域で異なる価値観
一方で、地方や年配の世代では、「犬は外で飼うもの」「残り物を与えれば十分」といった考え方も今なお根強く残ります。
都市と地方、若者と高齢者――その違いは、社会の変化を映し出す鏡のよう。
それでも若い世代を中心に、「動物も人と同じように快適に生きられる社会を」という声が広がり、保護活動や里親制度への関心も高まっています。
“ともに生きる”というやさしさ
地方の縁側で昼寝をする犬も、都市のマンションで眠る猫も、どちらも人のぬくもりに包まれて暮らしています。
「守るために飼う」から「心を通わせながら生きる」へ。
その変化の中に、ベトナムらしいやさしさと温もりが息づいています。
執筆者:Meizz0123


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