ペットと飛行機で旅行したい!海外では客室持ち込み可能?
ペットと飛行機で旅行したい!海外では客室持ち込み可能?
飛行機で旅行するとき、ペットと一緒に行きたいと思う人もいるのではないでしょうか。
日本でペットと同伴できる航空会社は1社のみですが、海外では同伴可能な航空会社が多数存在します。しかし、ペットと飛行機で旅行できてもリスクが伴うことは事実。
本記事では、ペットと旅行する条件や注意点、そしてリスクまでご紹介します。リスクも理解した上で、飛行機に乗せるべきかどうか考えてみてはいかがでしょうか。
目次
ペットと飛行機で旅行するときの条件【アメリカン航空編】
ペットを飛行機に乗せられる条件は、ペットの種類やサイズ・必要書類など、航空会社によって異なります。今回は、ペットフレンドリーの航空会社の1つとしても知られる、アメリカン航空の場合について見ていきましょう。
犬種の制限あり
ブルドッグ・ボクサー・ピットブル・パグ・シーズーなど21種類の短頭種、いわゆる「鼻ぺちゃ犬」は、ミックス犬であっても受託ペットとして認められません。
短頭種の預かりは健康上のリスクが高く、呼吸困難や熱中症におちいる可能性が高いので、ほとんどの航空会社で預かりが禁止されています。
年齢とワクチンの必要条件
アメリカおよびプエルトリコ国内を旅行する場合は、犬は生後8週間以上でなければなりません。
また、アメリカに旅行する場合のワクチン規定については、出発地の狂犬病のリスクにより異なります。狂犬病のリスクの高い国から出発する犬は、生後16週間以上、かつ狂犬病予防注射を受けることが必要です。
水や餌に関する証明書の提出
連邦規定により、以下の証明書を書面で提出する必要があります。
- ペットを預ける前4時間以内に、水と餌を与える
- クレートの外側にしっかりと見えるよう水や餌を取り付ける
また、24時間分の給水・給餌の指示書も提出する必要があり、獣医師からの指定がない限りは「水や食べ物を与えない」という指示を出すことはできません。
鎮静剤を投与していない
米国獣医師協会(AVMA)に従い、鎮静剤を投与されているペットを受け入れることはできません。
鎮静剤や精神安定剤を投与されているペットは、高地で呼吸や心臓血管の問題を引き起こすリスクが高いからです。
温度による制限
アメリカン航空では、暑さ制限や寒さ制限を設けています。
旅程上、現在もしくは予想される気温が29.4℃を上回る暑さの場合や、地表温度が7.2℃を下回る寒さの場合は、ペットを連れて旅行することはできません。
ペット同伴で機内に搭乗するときの決まり【アメリカン航空編】
アメリカン航空では、ペットキャリア(ペットを入れるバッグ)を1つ機内に持ち込めます。下記、機内に同伴するにあたっての決まりをご覧ください。
-
ペットの持ち込みには持ち込み料金が必要
150ドル(2024年2月19日以前の発券は125ドル) - フライト中は、ペットキャリアに入れ、前の座席の下に置くこと
- ペットのほかに持ち込める手荷物は1つのみ
- ペットカートはチェックインカウンターで預けること
ペットキャリア(ペットを入れるバッグ)の規定
- ジッパー付きキャリー内で、ペットが快適に過ごせる十分な大きさ
-
柔らかい折り畳み可能なもの(推奨)
推奨サイズ:46x28x28 cm - 安全性が高く、パット付き、撥水性の素材、3面以上にメッシュ付きの通気口が付いている
航空会社によっては、ビジネスクラスやファーストクラスへ、ペットの持ち込みができなかったり、エコノミークラスとは異なる規定があったりするので、ペットと同伴可能な航空会社であっても各クラスでの決まりを確認しましょう。
ペットを貨物に預ける前の準備&注意点
機内にペットが同伴できる航空会社であっても、盲導犬や介助犬以外の大型犬は機内に連れて行けないことがほとんどです。貨物室に預けなければならない場合は、以下の点に注意しましょう。
- 直行便を利用する
- 可能な限りペットと同じ便を利用する
- ブルドッグやパグなど(ミックス犬を含む)の短頭種を預けない
- 暑い時期/寒い時期はフライトの時間帯に注意する:夏:早朝または深夜、冬:午後(推奨)
- 混雑する時期を避ける
- クレートのドアに引っ掛からな首輪をつける
- 爪を切っておく(引っ掛からないように)
- 精神安定剤を「与えない」
- 到着地周辺の動物病院を調べておく
ペットを乗せる貨物内の空調は、客室と同じように保たれていますが、狭いクレートの中で長時間、飛行機の大きな音や暗さなど慣れない環境で過ごさなければなりません。
普段から音や暗さに慣れさせたり、クレート内が安心できる場所と教えたり、事前にトレーニングしておくことがストレスを最小限に抑える1つの方法です。
飛行機にペットを乗せるリスク|100%安全はない
飛行機にペットを乗せることが、100%安全とは言い切れません。実際にJALやANAなど日本の航空会社でも、毎年数件の死亡事例が発表されています。
飛行機にペットを乗せるリスクの一例がこちらです。
- 温度や気圧の変化
- ストレス
- 脱走
- 死亡
- 一緒に緊急脱出できない可能性
アメリカのほとんどの航空会社では、貨物内で発生したペットの事故を報告する義務があります。航空会社を選択する前に過去の実績を調べましょう。
また、知っておくべきことは、一般的にペットは手荷物扱いです。すなわち、緊急脱出時にペットをおいて逃げないといけないということ。飛行機でペットとの旅行を考えるなら、万が一のことまで想定する必要があります。
ペット同伴が可能な航空会社|アジア・アメリカ・ヨーロッパ
ペットを機内に持ち込める航空会社はどこでしょうか。アジア・アメリカ・ヨーロッパに分けてご紹介します。航空会社により、機内へ同伴できる路線や座席クラスに違いがあるので、利用する航空会社に確認が必要です。
アジア
- スターフライヤー(日本)
- 大韓航空(韓国)
- アシアナ航空(韓国)
など
アメリカ
- アメリカン航空
- デルタ航空
- ハワイアン航空
など
ヨーロッパ
- KLMオランダ航空(オランダ)
- エールフランス航空(フランス)
- フィンエアー(フィンランド)
など
【まとめ】飛行機でペットと旅行は簡単じゃない!
本記事では、海外の例を参考にペットと旅行する条件や注意点、そしてリスクをご紹介しました。
引越しのように、飛行機を利用せざるを得ない場合もありますが、一緒に旅行したいなら車を利用する方法もあります。また、ペットシッターやホテルに預けることが、ペットにとってストレスなく幸せに過ごせることも。
飛行機に乗せるメリットが、数あるリスクを上回るかどうか考える必要がありますね。
執筆者:小原有加里
参考記事
- https://www.aa.com/i18n/travel-info/special-assistance/pets.jsp
- https://www.humanesociety.org/resources/travel-safely-your-pet-car-airplane-ship-or-train#:~:text=Most%20airlines%20require%20a%20health,exacerbated%20by%20heat%20or%20stress.
- https://www.iata.org/contentassets/7712323d40264a11a71c8c8863d4c8f3/guidance_for_passengers_traveling_with_their_dog_or_cat_in_the_cabin_final.pdf
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