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カナダの犬・ペット事情|ペットショップで犬は買えない?海外から保護犬を迎える仕組みと2024年の統計

カナダは世界一の保護犬大国?海外から保護犬を迎える仕組みと最新事情

著者はカナダのバンクーバーに住んで15年以上になります。
最近、犬を飼いたいと思っていて、気になる犬に出会うと、飼い主の方に「どこから迎えたの?」と聞くことにしています。
すると半数近くから、「うちの子は海外からの保護犬なの」という答えが返ってきました。それも韓国、メキシコ、アメリカ、インドと多国籍です。

カナダは多くの移民・難民を受け入れる多文化国家ですが、犬の世界でもそうなのでしょうか?
この記事では、カナダの最新のペット統計と、海外から保護犬を迎える仕組み、そして2022年以降の輸入規制の変化についてご紹介します。

ペットに関するカナダの統計(2024年)

カナダ動物衛生研究所(CAHI)の2024年調査によると、カナダには推定約720万頭の犬と約820万頭の猫がいます。
世帯でみると、約41%の世帯に犬が、約37%の世帯に猫がいて、半数以上の世帯が何らかのペットと暮らしています。

カナダの人口は約4,100万人ですので、単純計算でカナダ人の6人に1人が犬を飼っていることになります。日本の犬の世帯飼育率が約9%であることを考えると、カナダがいかに「犬と暮らすのが当たり前」の国かがわかります。

カナダでの犬の迎え方|ペットショップで犬は買えない

日本で犬を迎えるときはペットショップが一般的ですが、カナダの多くの州や都市では、ペットショップで犬を売ることが法律や条例で禁じられています。
商業目的で犬を繁殖すると、「子犬製造工場(パピーミル)」と呼ばれる施設に代表されるように劣悪な環境で飼育されることが多く、定められた飼育基準を満たさないためです。

そのため、最も一般的な迎え方はブリーダーから直接購入することで、約35%の人がこの方法を選んでいます。次いで保護センターからの譲渡が13%、ペットショップからは10%程度です。

世界中の保護犬がカナダへ

公的な保護犬センターは各市や町にあり、それに加えて個人が設立した保護団体もあります。バンクーバー市(人口約68万人)だけでも、公私あわせて8つの保護犬団体があります。

これらの団体の多くは、海外の保護センターや団体と提携し、遠くはギリシャ、中東諸国、インドなどまさに世界中から、行き場のない犬をカナダに迎えてきました。
2013〜2019年には、カナダ獣医師会の調べで毎年9,000〜17,500頭の犬が輸入されています。これには海外からカナダへ引っ越した人が連れてきたペットも含まれますが、大部分は保護犬としてカナダの里親のもとへ来た犬だと考えられています。

ただし、後述するように2022年9月に輸入規制が大きく変わり、現在の主な保護犬の送り出し国は、アメリカ、メキシコ、韓国、台湾などに絞られています。

海外からの保護犬を迎える手順と費用

まずは、保護犬団体のウェブサイトにあるデータベースから犬を選びます。
写真、出身国、犬種、年齢、大きさ、性別、性格、健康状態、ほかの動物や子どもと上手くやれるか、などの情報が掲載されています。迎えたい子を決めたら、申込書をオンラインで送ります。

ここで注意したいのが、人気の保護犬にはたくさんの希望者から申し込みがあり、自分が選ばれる確率は決して高くないということです。
申込者の基本情報だけでなく、家族構成、ほかに飼っているペット、犬を飼った経験、犬が1匹で留守番する時間、体罰についての考え、しつけの方針など、たくさんの質問に答えなければなりません。この内容をもとに審査されるので、何を書くかがとても重要です。

審査に通れば、600〜800カナダドル(約6万〜9万円)の費用を払い(カナダへの輸送費を含む)、犬が海外から到着するのを待ちます。

なぜカナダでは海外の保護犬を斡旋するのか?

理由は単純で、カナダ国内では保護犬の数が足りないからです。里親になりたい人が多く、需要が供給を上回っているのです。

前述のとおり、カナダでは基本的にペットショップで犬を買えません。ブリーダーから迎えるのが一般的ですが、人気の犬種やブリーダーは希望者が多すぎて、予約待ちのリストさえ締め切られていることもよくあります。「犬が欲しい」と思っても、そう簡単には手に入らないのです。

加えて、カナダでは動物福祉の考え方が広く浸透しており、「せっかく犬を飼うなら、恵まれない犬を救ってあげよう」と考える人が多いことも、海外保護犬の人気を支えています。

2022年以降の輸入規制|狂犬病リスク国からの犬は禁止に

海外から保護犬を受け入れることには、リスクもあります。獣医師や公衆衛生の専門家は、出自の分からない犬を連れてくることで、国内の犬に病気が広がるのではないかと懸念してきました。

実際に、2021年に輸入された犬から犬型狂犬病ウイルスが2件検出されたことを受け、カナダ食品検査庁(CFIA)は2022年9月28日から、狂犬病のリスクが高いとされる約110か国からの商業目的の犬(譲渡・転売・繁殖用など)の輸入を全面的に禁止しました。
それまで主要な送り出し国だったイラン、タイ、インドなどはこの対象となり、これらの国からの保護犬はカナダに来られなくなっています。

さらに2024年8月には、隣国アメリカでも犬の輸入ルールが厳格化され、アメリカに入国するすべての犬に生後6か月以上・マイクロチップ装着・事前申請が義務づけられました。カナダとアメリカの間で犬を移動させる保護団体にも影響が出ています。

また、カナダ国内でも殺処分される犬はいるため、「海外の保護犬より国内の保護犬を優先すべきだ」という声があるのも事実です。

まとめ

首輪をつけた白い犬を優しく抱きかかえる若い女性
カナダは、ペットショップでの犬の販売を禁じ、ブリーダーと保護団体からの譲渡を中心に犬を迎える国です。国内の保護犬だけでは足りないほど「保護犬を迎えたい人」が多く、その受け皿として、世界中から保護犬を受け入れる仕組みが発達しました。

2022年の規制強化で受け入れられる国は絞られましたが、犬の出自が国内か国外かにかかわらず、殺処分を減らし、里親になりたい人の希望も叶えられるのであれば、この海外保護犬の仕組みは今後も続いていく価値があるのではないでしょうか。
(同じく多くの保護犬を受け入れているアメリカの事情は、アメリカの動物愛護事情で紹介しています)

執筆者:toramaru
(2026年9月 統計と輸入規制の情報を更新)

参考記事

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