アジア(韓国・台湾・ベトナム)の動物福祉まとめ|犬食終息法、台湾の殺処分ゼロ、街で暮らす犬と猫
アジアの動物福祉は、ここ10年ほどで制度が大きく動いている地域です。peteeでは、韓国・台湾・ベトナムの3つを取り上げています。
韓国では、犬の食用を終わらせる「犬食終息法」が2024年2月に公布され、2027年2月7日に全面施行されます。2026年5月時点で犬農場の82%が閉鎖し、46万頭以上いた犬は2万〜3万頭まで減りました。一方で、減った犬がどこへ行ったのかを示す公的な統計はありません。ソウル市では、野良猫を捕獲して不妊手術をし、元の場所に戻すTNRも行政の予算で進められてきました。
台湾は2017年2月から、公立収容所で「引き取り手がない」ことを理由にした殺処分を法律で止めました。殺処分は2008年の約8万5,000頭から2025年の664頭まで減っています。ただ、収容中の死亡は別に数えられており、街や山にいる飼い主のいない犬は2024年の推計で約14万頭です。
ベトナムについては、制度よりも暮らしと文化の記事が中心です。首輪のない犬が街を歩き、寺で犬や猫が暮らし、鳥や魚を放す「放生」の風習が残っています。
まず読みたい記事
- 韓国「犬食終息法」全面施行まであと5カ月|農場の82%が閉鎖、残された犬たちはどこへ行くのか
禁止と補償を組み合わせた制度の設計と、その数字が読めます。 - 台湾の「殺処分ゼロ」はどうなったのか|2017年施行から9年、収容所の数字と遊蕩犬14万頭の現実
「ゼロ」の中身を、収容所の中と外の数字で確かめています。 - ベトナムの犬と猫の暮らし
制度の記事とは違う角度から、人と動物の距離感を知ることができます。
法律・制度
- 韓国「犬食終息法」全面施行まであと5カ月|農場の82%が閉鎖、残された犬たちはどこへ行くのか
禁止行為と罰則、「早く閉めるほど手厚い」6段階の補償金、支援の対象外となった農場の問題を整理しています。 - 台湾の「殺処分ゼロ」はどうなったのか|2017年施行から9年、収容所の数字と遊蕩犬14万頭の現実
「12日ルール」の削除から、所内死亡の数、2026年1月からの猫の登録義務化までを台湾農業部のデータで読み解いています。
保護活動・TNR
- 韓国で話題の動物福祉TNR活動とは
ソウル市の野良猫が2013年の25万頭から2017年に13万9千頭へ減った取り組みと、日本の「さくらねこ」を紹介しています。
暮らし・文化
- ベトナムの犬と猫の暮らし
街角で暮らす犬たちや、地域全体で見守るベトナムの人と動物の関係を伝えています。 - 信仰の中のいのち ベトナムの神話に見る「動物への敬意」と福祉意識
神話の龍や水牛、寺で暮らす犬猫を通して、信仰に根ざした動物観をたどっています。 - 「捕まえて、また放す」 ― ベトナムに根づく共生のかたちとは?
仏教に由来する「放生」の風習と、外来種による生態系への影響という課題を取り上げています。
日本と比べると
韓国の犬食終息法は、禁止と補償を一つの法律に入れ、早く閉めるほど支援が厚くなる設計にしました。日本の動物愛護管理法では、2021年からの繁殖業者への数値規制に段階的な経過措置はありますが、廃業や規模縮小への補償の仕組みはありません。
台湾と日本では、殺処分の数え方が違います。日本の殺処分数には引取り後の病気などによる死亡(2024年度は2,092頭)が含まれますが、台湾は「所内死亡」を別に数えています。また台湾は、飼い主のいない犬の数を国が2年ごとに推計して公表しています。日本には、国が定期的に推計した同じような統計は見当たりません。
TNRは日本でも広がり、不妊手術の目印に耳先をV字に切った「さくらねこ」が知られるようになりました。ベトナムの「地域で見守る」あり方は、登録とリードで命を守る日本の仕組みとは違う、もう一つの形として紹介されています。
ほかの国・地域のまとめ
(2026年10月 作成。各記事の内容は、それぞれの執筆・更新時点のものです)

