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土佐犬は飼育禁止?危険な犬なの?日本で飼う許可と特定犬条例、イギリスの「危険犬」5タイプ

土佐犬は飼ってはいけない?!イギリスで飼育禁止の「危険犬」5タイプと最新の規制

イギリスでは、土佐犬の飼育が法律で禁止されていることをご存じですか?
イギリスでは、人に危害を及ぼす可能性があるという理由で、土佐犬を含む5つのタイプの犬の飼育が禁止されています。2024年には、相次ぐ咬傷事故を受けて「アメリカン・ブリー XL」が新たに追加されました。

危険な犬の飼育を禁止する法律は、一見すると人にとって良いことのように思えます。しかし問題は、その基準が犬種ではなく「見た目」であること。そして、法律ができてからも犬による傷害事件は減っていないことです。

では、日本ではどうでしょうか。結論から言うと、日本で土佐犬の飼育は禁止されておらず、飼うための許可も不要です。ただし一部の自治体では「特定犬」として飼い方のルールがあり、闘犬を禁じる条例もあります。

この記事では、イギリスの「危険犬法」の仕組みと最新の規制、禁止犬種を飼い続けるための条件、そして日本で土佐犬を飼う場合のルールをお伝えします。

イギリスで特定犬種の飼育を禁止する「危険犬法」とは?

1991年に制定された「危険犬法(Dangerous Dogs Act 1991)」は、闘犬など戦闘用に繁殖された犬のタイプの飼育を禁止する法律です。
「犬種」ではなく「タイプ」と表現されるのは、純血種に限らないから。禁止されるかどうかは血統書ではなく、「禁止された犬種の特徴に当てはまるか」という見た目で判断されます。

「飼うこと」に加えて、次の行為も禁止されています。

  • 売る
  • 捨てる
  • 譲る
  • 繁殖させる

イギリスでは、この危険犬法ができるまで、犬による傷害から人々を直接守る刑事罰は存在しませんでした。

禁止されている犬種5タイプ

  • ピットブル・テリア(Pit Bull Terrier)
  • 土佐犬(Japanese Tosa)
  • ドゴ・アルヘンティーノ(Dogo Argentino)
  • フィラ・ブラジレイロ(Fila Brasileiro)
  • アメリカン・ブリー XL(XL Bully)※2024年追加

たとえば、あなたの飼っている犬が土佐犬ではなくても、「土佐犬の特徴に似ている」というだけで飼育禁止とみなされ、取り上げられる可能性があるのです。

禁止されている犬種でなければ問題ない?

危険犬法による刑事罰は、禁止犬種だけの話ではありません。
公共の場や、許可されていない場所であなたの犬が誰かを危険にさらした場合、どの犬種であっても飼い主が刑事罰に問われる可能性があります。

【飼い主に対する罰則】

  • 禁止犬種を飼っていた場合:上限のない罰金、または最長6か月の懲役、またはその両方。将来、犬を飼うことの禁止
  • 犬が人にけがをさせた場合:最長5年の懲役
  • 犬が人を死亡させた場合:最長14年の懲役

【犬に対する罰則】

押収され、殺処分となる可能性があります。

2024年に追加された「アメリカン・ブリー XL」

2023年、イギリスでは大型犬種「アメリカン・ブリー XL」による死亡事故や重傷事故が相次ぎ、当時のスナク首相が危険犬種への追加を発表しました。
その後、次のスケジュールで規制が施行されています。

  • イングランド・ウェールズ:2023年12月31日から販売・譲渡・繁殖・遺棄が禁止。2024年2月1日から、免除証明書なしで飼うことが犯罪に
  • スコットランド:2024年8月1日から免除証明書なしの飼育が犯罪に
  • 北アイルランド:2025年1月1日から免除証明書なしの飼育が犯罪に

すでに飼っていた人は、期限までに免除証明書を申請し、去勢・マイクロチップ・保険加入・公共の場での口輪とリードといった条件を守ることで、飼い続けることが認められました。

ただしこの規制には、動物保護団体や獣医師団体から強い批判があります。「見た目」で判断するため、まったく問題のない家庭犬まで対象になること。そして1991年の法律以降も犬による傷害事件は増え続けており、「犬種を禁止する」やり方そのものが効果を上げていないと指摘されているからです。

禁止されている犬種を飼っていたらどうなるの?

1991年当時は、「危険な見た目」というだけで、危険な行為をしていなくても、苦情がなくても、その犬に待っていたのは「死」でした。

しかし、1997年の法改正により、「見た目」で危険犬種と判定された犬でも、条件を満たし、地域社会で平和に暮らせることが証明されれば、免除されるようになったのです。

裁判所で「危険犬ではない」と証明する

飼い犬が「危険ではない」と証明するのは飼い主の責任です。
証明できれば愛犬は飼い主のもとに戻れますが、証明できなければ戻ってくることはなく、飼い主にも上限のない罰金または最長6か月の懲役、またはその両方が科されます。

さらに、高額な訴訟費用がかかるうえ、その間、犬は飼い主から引き離されて孤独に過ごすことになります。それまで良好だった飼い主との関係が崩れてしまうこともあるのが現実です。

飼い続けるための条件を満たす

免除が認められた犬は「免除犬登録簿(Index of Exempted Dogs)」に登録され、次の条件を守り続ける必要があります。

【犬に対する条件】

  • 去勢(避妊)されている
  • マイクロチップが装着されている
  • 公共の場では、常にリードと口輪をつけている
  • 逃げ出せないよう、安全な場所で飼育されている

【飼い主に対する条件】

  • 万が一他人にけがをさせた場合に備えて、第三者賠償保険に加入すること
  • 16歳以上であること
  • 警察官または自治体の担当者から免除証明書の提示を求められたら、その場もしくは5日以内に提示すること
  • 住所が変わった場合、または犬が死亡した場合は報告すること

イギリスで闘犬は今でも行われている?

イギリスでは1835年以来、闘犬は違法です。2006年の動物福祉法でも明確に違法行為と定められています。
しかし、世界最古の動物保護団体RSPCAによると、闘犬の通報件数は増え続けています。イングランドでの通報は2020年の399件から2023年には537件へと4年間で35%増加し、2020〜2023年の合計は1,734件にのぼります。

【イングランドの闘犬通報が多い地域Top5(2019年〜2023年)】

  1. ロンドン 91件
  2. グレーター・マンチェスター 82件
  3. ウェスト・ヨークシャー 69件
  4. ウェスト・ミッドランズ 59件
  5. ランカシャー 56件

闘犬が違法になって約200年たつ今も、依然として根絶されていないのが現状です。
そして、闘犬用に育てられた犬たちは、救出されたとしても危険犬法によって「危険犬」と判定され、一般家庭に戻れることは少ないと言われています。

日本で土佐犬は飼育禁止?飼うのに許可は必要?

先に結論をまとめます。

  • 日本では、土佐犬の飼育は法律で禁止されていません
  • 飼うための許可も不要です。ただし、すべての犬と同じく登録と年1回の狂犬病予防注射は義務です
  • 茨城県など一部の自治体では「特定犬」として、おりでの飼育や標識の掲示が義務になっています
  • 土佐犬を闘わせることは、東京都・神奈川県・石川県・福井県で全面禁止。北海道では公安委員会の許可が必要です

全国共通のルール|許可は不要、登録と予防注射は義務

日本には、特定の犬種の飼育を禁止する法律はありません。動物愛護管理法で飼育に許可が必要な「特定動物」は、トラ、クマ、ワニ、マムシなど約650種ですが、犬は含まれていません。

土佐犬も、ほかの犬と同じルールで飼うことになります。狂犬病予防法により、飼い主は犬を市区町村に登録し、毎年1回の狂犬病予防注射を受けさせなければなりません。

一部の自治体では「特定犬」|おりでの飼育と標識が義務

一部の自治体では、人に重大な危害を加える可能性のある犬を「特定犬」として指定し、飼い方にルールを設けています。札幌市、茨城県、佐賀県、水戸市などの条例がその例です。

たとえば茨城県の条例と施行規則では、次のように定めています。

  • 対象の犬種:秋田犬、土佐犬、ジャーマン・シェパード、紀州犬、ドーベルマン、グレート・デーン、セント・バーナード、アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
  • 体格による指定:犬種にかかわらず、体高60cm以上かつ体長70cm以上の犬
  • 個別の指定:上記以外でも、知事が危険と認めた犬
  • 飼い方:おりの中で飼育する(生後9か月未満の犬を除く)
  • 標識:住居の出入口など見やすい場所に、特定犬を飼っている旨の標識を掲示する

違反した場合の罰則も設けられています。対象となる犬種や体格の基準は自治体によって異なるので、土佐犬を飼う予定がある方や引っ越しの際は、お住まいの自治体で確認が必要です。

日本で闘犬は禁止されている?

土佐犬はもともと闘犬として作られた犬種です。日本では、闘犬そのものを規制する条例を持つ自治体があります。環境省のまとめ(2020年4月1日時点)によると、次のとおりです。

  • 東京都(1948年)・神奈川県・石川県・福井県:犬などの動物を闘わせること、闘いを見せるために人を集めることを全面禁止
  • 北海道:土佐犬以外の闘犬は禁止。土佐犬を闘わせる場合は、北海道公安委員会の許可が必要

闘犬を規制する条例の中身や、条例のない地域での扱い、海外の闘犬禁止については「日本で闘犬は禁止されているのか」で詳しく整理しています。

「土佐犬 許可」で調べると出てくる「許可」は、この北海道の闘犬の許可を指していることがあります。飼うための許可ではない点に注意してください。

イギリスで飼うこと自体が禁止されている土佐犬が、日本では「飼い方に条件が付く」地域がある程度、という違いは大きいと言えます。

【まとめ】犬を守るために人間ができること

「危険な見た目」とされる犬種の多くは、飼い主に従順である一方、他者に対して警戒心や攻撃性を持ちやすい面があるのは事実です。しかしそれは、程度の差こそあれ、すべての犬種に当てはまることでもあります。

イギリスでは、「見た目」で押収された犬と、禁止犬種ではないのに制御不能で押収された犬が、ほぼ同数だったという記録もあります。2024年のアメリカン・ブリー XL の追加をめぐっても、「犬種を禁止しても事故は減らない」という声は根強くあります。

生活の安全のために本当に必要なのは、犬種を禁止することではなく、「無責任な飼い主に対処する」こと。問題は犬にあるのではなく、人間の側にある――そのことを理解する必要があります。
(イギリスの動物福祉法の全体像は、「ペット先進国」イギリスの動物福祉の記事でご紹介しています)

執筆者:小原有加里
(2026年9月 アメリカン・ブリー XL の規制と最新の統計、日本の特定犬・闘犬の条例を反映して更新)

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